iPhoneのショートカットを活用した簡易レジの作成

学祭でレジのようなものを導入したい…

先日大学で学祭があり、友人の運営するサークルの出店を手伝ってきました。

企画名は『アジアンミルクティー』。ドリンクに果物やシロップ等を入れたカクテルのようなものを屋台で販売しました。

 

この企画に決めるにあたって懸念されたのが回転効率。ドリンクとシロップの組み合わせをお客さんの方で選んでもらう必要があり、注文フローはよくある屋台に比べて複雑です。昨年の屋台はもっとシンプルで注文の種類も4種類ほどしかなかったのですが、今回は18通りの組み合わせが考えられました。同様に紙とペンで注文を対応していては、スピードを出してオーダーミスが多発すること間違いなしです(前回ですらめっちゃミスが出ました)

 

というわけで何とかコンビニのレジ(POS)のように注文の記録が残せるものや、ハンバーガーショップにあるような注文内容が表示されるようなもの(できればスマホからリアルタイムで閲覧できるものが望ましい)を用意できないかなと考えました。

 

今回紹介するのはiPhoneのショートカット機能を使ってlineなどのチャットツールでPOSを代用する方法です。プログラミングの知識等も要らないのでかなり楽に使えます。

 

学祭や即売会などイベントのときにだけものを売ったりする機会の参考になれば幸いです。商品にオプションを設定したいような場合など、注文フローが複雑になる場合はかなり楽になると思います(スタバとかクレープ屋みたいな感じ)

 

 

そもそもレジを作ろうと思ったらショートカット以外にどんな方法が考えられるか?

本題に入る前に自分が模索する中で見かけたその他の方法と自分がやらなかった理由を上げておきます。

 

レジアプリの導入

・種類が多くてどれがいいのかイマイチわからない。

・あくまで注文を受ける人間と作る人間で共有できればいいのだが、そこに特化したアプリが見つからなかった。(拡張性は高そうなのでそこを面倒だなと思ったのですが……)

・会員登録とか面倒くさい

※対お客さんのツールとしてだけならアリだと思います。キャッシュレス決済等にも対応しているのでかなり本格的なお店に近い対応もしやすくなるんじゃないでしょうか?

 

自力で組む

・工業系の高校や工学系の大学の解説記事で見かけたやつ。これができるならやってる()

 

ショートカット機能の使用感

 

iPhoneならデフォルトで入ってるはず……

 

iPhone上での挙動(実際には注文したドリンク名とシロップ名が入っています)

 

iPhoneのショートカットで作成。タップすると起動します。
ホーム画面に直接置いておくこともできます。

 

ドリンクを選択(今回はドリンク2を選択)

 

シロップを選択(今回はシロップ3を選択)

 

メッセージのプレビューが表示されるのでSendを選択。
注文管理番号は乱数で振ってます。
今回の宛先は事前に設定した注文管理というlineグループ。
この後注文を続行するか聞かれます。
はいを選択すればこのまま注文を続行できます。
途中画面の関係ないところをタップしてもショートカットを中断できます。

 

送信先のグループ
当日は注文を渡したらスタンプで反応して注文が完了したことがわかるようにしていました

 

メッセージの検索機能でいくつ注文が入ったか確認できます。
今回は注文管理で検索。
取り消された注文などはメッセージ送信取り消し機能などで対応。
グループ参加前のメッセージなどもカウントされるので留意しておきましょう。

 

メリット

・lineのグループにさえ入っていれば誰でも注文が見られる。

スマホで見れるので狭い空間でも確認しやすい

・時間の記録、注文番号が振ってあるためオーダーミスが起こりにくい

・リアクション機能で対応したものにはチェックがつけられる

・当日の売り上げなどを確認したいときにlineのメッセージ検索機能を使えば当日注文された数などが後ほどわかりやすい。(売上報告めっちゃ楽だった……)

・iPoneにデフォルトで入っているのでUIはかなりいい(自作する場合はUIも考える必要あり)

 

デメリット

・通知がめっちゃたまる

・通信料がかかる、ついでにスマホの充電もそこそこ使う。

・1個ずつしか注文を受けられない(改良できなくもない。要検討)

iPhoneのショートカット機能で作っているのでiPhoneユーザー以外は採用できない?(なんかアンドロイド用にもショートカットあるみたいですが共有できない? 詳しい方教えてください)

 

初日に違算金(100円と50円の受け取りミス)や、送信できていなかったなどのミスはありましたが、基本的には大きな事故もなく終えることができました。lineを見れば注文自体の確認は誰でもできるので、注文を受けた当人に聞かないと正確な注文内容がわからないといった事故が無かったのが営業中特に大きかったです。

 

また、記録がしっかり残っているので、営業終了後の会計処理が段違いに楽でした。紙のメモだと数え間違いなのか、それとも注文の取り消し忘れ、書き忘れなのかわからないみたいなことが発生すると思うのですが、少なくともlineの記録に残っている注文は、注文を受けた人間と渡した人間(作った人間)の2~3回のチェックが入っているので実際に販売した数と記録のズレはまず起こりません。

 

ですので、ズレているとすれば考えられる原因は数え間違いや金銭授受のミスなどに絞りこむことができます。おかげで初日に起こった50円のズレも金銭授受のミスとして処理することができました。

 

ショートカットの中見

今回使用しているショートカット(リンク先で追加して貰えれば使えます) 

https://www.icloud.com/shortcuts/388076ecde7f45d186a081a45771701e

(lineグループの設定方法は※2で後述)

 

乱数で注文管理番号を振っています。下の検索バーで乱数で検索掛けると見つかります。

 

メニューから選択機能でどのドリンクにするかを設定しています。
水色のボックスに書かれた内容が選択肢として表示され、
黄色のボックス内の文章がlineのメッセージに採用されます。

 

変数「飲み物」がこの後のlineのメッセージ内に採用される変数で、
メニューの結果が先ほどの黄色いボックス内に書かれたテキストです。
シロップもドリンクの場合と同様です。

 

ドリンクと同じ部分は省略。
""内がlineに送信されるメッセージです。
メッセージ部分に獲得した変数を埋め込んであります。

 

注文を続行するかどうかをメニューから選択で設定してあります。

 

何が起こっているのか簡単に説明しておくと、注文管理番号(変数)は乱数で獲得、「メニューから選択」機能でドリンクという変数とシロップという変数を獲得。(※1)

lineのメッセージ(※2)の中にここまで獲得した3つの変数(注文管理番号、ドリンク、シロップ)を出力させて送信、最後にもう一度メニューからの選択機能で注文を続行するかを選択。「はい」を選んだ場合はもう一度このショートカットがスタートするようになっています。

 

※1 各選択項目の下に必ずテキストを入れてください(図表1)このテキストが獲得される変数になります。もしテキストを設置しない場合、iPoneの中では

 

どれにする?(メニューから選択)→ドリンク1を選んだね→じゃあ『無』を獲得して次の質問に移るね!

 

って感じの処理が行われています。なので必ず選んだら次に何をするのかを直後に置いてあげてください。

 

[図表1]

 

※2 注意点としてlineグループの項目部分を自分の送りたいlineグループに設定し直してもらう必要があります。(図表2)検索バーでlineと入力してもらうと(line)メッセージを送信の項目が出てくると思うのでそこから注文管理用のグループ等を選択してください。もしサジェストされなければ、line側で適当なメッセージを入れてあげれば表示されるようになるはずです。

 

[図表2]
当初はスプレッドシートに送れないかなとかも考えてたけど難しそうです。
できたら教えてください

まとめ

選択肢がもっと多い場合であっても今回紹介したようにメニューから選択、変数、テキストの応用で対応できるはずです。もし気になった方がいたらショートカット機能の考え方や組み方を専門に解説している動画や記事がヒットすると思うので、そちらを参考にしてみてください。長くなる&応用の幅が広いので本稿では最低限の紹介で留めます。

 

たとえば、自分たちの場合は金額を一律に設定していたため使用しませんでしたが、変数の考え方を使えば金額の設定等も可能です。メニューから選択の各項目の下にテキストと変数「金額」を設定。そこで獲得した数字を全て合算すれば金額を出すこともできるわけです。

 

ショートカット機能の応用的な使い方はエクセルやスプレッドシートのマクロほどインターネット上に落ちている情報が少ないなと感じたため本稿を投稿しました。質問やもっと簡単にできる、こんなこともできるよーというのがありましたらコメントで教えてもらえると嬉しいです。

 

おすすめの検索ワード:ショートカット変数、メニューから選択

 

偽善って怖いよね……『可哀想な蠅/武田綾乃』

面白い小説を読んだので久しぶりに更新。大分走り書きです。もしかしたら読み返して修正するかも。

 

可哀想な蠅/武田綾乃

 

読み終わったあとに痛烈な無力感を突きつけてくる小説。

 

捨て猫の入った段ボールを蹴る男性をインターネットに晒すことで正義を実行した主人公。その投稿がバズった結果、謎のアカウント『パブロフ康成』に粘着される。様々なアカウントに攻撃を仕掛ける彼を主人公は可哀想だと思う。なぜなら、彼がどんなに言葉の暴力に訴えたところで、投稿主がブロックしてしまえば、透明な存在になってしまうからだ。だから主人公はブロックせずにスマホの中で飼うことにする。

 

スマホが手の届く範囲を錯覚させる=偽善を偽善と気づかせなくさせている

スマホによる偽善という部分が特に現代的で、スマホを挟むことで現実が一段階虚構化して、虚構化した結果誰でも正義の味方になれるような気がしてしまうわけで、その危うさを書いた小説としても読めた。

 

蠅という害虫を殺してしまうことが本来正しい姿であるはずなのに、スマホを挟むことで蓋をして、安全圏に逃げて「蠅を殺さない歪んだ優しさ」を振るえてしまう。この境界線を曖昧にする力が現実としてスマホにはあると思うし、この力は今の多様性の空気を後押ししていると思う。だからこそ、この空気の怖い部分を題材として扱っているところが面白いと思った。

 

この作品の後味の悪さは、猫を助ける優しさも、蠅を殺さない優しさも偽善としてとらえられてしまうようなオチにあると思う。親友が刺されたニュースのシーンが特に顕著で、結局人間は一本境界線を引いてしまえば(スマホを挟んでしまえば)、どんな意見に対しても正しさを通せてしまうでしょ? というのがよく表れている。歩道を自転車で走っていた被害者も自己責任でしょう。なんて当事者じゃ言えないはずで、このコメントはまさしく、パブロフ康成を可哀想と言った主人公と全く同じ構図だ。最後まで徹底的に正義感や優しさを破壊された。

 

蠅について

直接的に書かずに猫の死を予期させているのはうまいなと思った。他にも殺虫剤を使うと耐性がついてしまうところなど、全体的に『蠅』の使い方がうまいなと。話の展開的にはそんなことないのだけれど、蠅が群がったグロテスクな光景を想像させられた。

 

本人も朱音について言及されてるし、まさしくブラック武田綾乃作品で、嫌な部分を描いた後味悪い最高の小説です。

 

以下、思い出した作品のメモ

直近で『神様のメモ帳』を読み返していたので境界線のない正義感というところで考えさせられる作品だった。境界線のない正義感を振るうには強くないといけないんだよね……

 

タイトルから綿矢りさの『かわいそうだね』を思い出したけど、どちらかというと(偽善の話としては)『嫌いなら呼ぶなよ』のが近い? 綿矢作品も読み返したいところ。素直な主人公が作者によってイジメられてる感じも最近の綿矢作品に近いタイプかなと。いずれにせよ、武田綾乃作品に登場する主人公(語り部)の中ではかなり素直だなと思いました。

夏の終わり、黒猫ifを手に取る

9/10、暦の上では秋ではあるけれども、まだ夏の暑さが残っていた。

この日ずっと待ち望んでいた「俺の妹がこんなに可愛いわけがない15 黒猫if 上」が発売した。

俺妹シリーズを読んでいた人は是非読んで欲しい。ちなみに自分は当時黒猫を推していたのでこのifシリーズ(少し前にはあやせifが発売していた)では特に楽しみだった。

前回のあやせifがゲーム版のあやせルートの加筆修正だったので今回も近い形になるのかと思っていたらまさかの完全新作。ページをめくる前からワクワクが止まらなかった。

 

本題へ。

今回1年以上使ってないこのブログになぜ書こうかと思ったのかというとTwitterに書き込むと重大なネタバレを流すことになってしまうと思ったからだ。

最初は久しぶりに会う黒猫に声にならない鳴き声を上げるだけの萌え豚となった自分だったがこの小説はそんな萌え豚を満足させるためのものに留まらなかった。

重大なネタバレ「これSFじゃん!?」となったのはちょうど半分くらい読み終えたあたりだった。簡単にストーリをまとめると最近のゲームでいう「Summer Pockets」のとあるルートと似ている雰囲気をもっているとだけ。そこでまず自分はそのゲームに出る「羽未ちゃん」という少女を想起し悶えた。

(いくらブログでもこれ以上書くと核心のネタバレになるので抑えます。サマポケやった人とは是非語りたいところ。dm待ってます)

 

さて1番好きなシーン313ページでこの作品の面白さが爆発する。

ifルートの作品とのことだったのでもしも黒猫とくっついていたら?という体で読んでいたところにまさかの事実。京介が突然リーディングシュタイナー(わからない人はシュタインズゲートを見て)を発動。不安定だった黒猫ルートの確定とともに本編セカイで起こった黒猫と結ばれなかった夏の数日間が夢のように起こる。この展開は不意打ちだった。この描写のおかげで本当に黒猫ifは「if」の話となり俺妹シリーズを「if」のセカイを認めた上で読むSF的な作品に変化させたように僕は感じた。

決して本編のおまけではなく黒猫ifは俺妹というセカイを作る続編というのが相応しいと僕は思う。

続編も楽しみだ。

現代のコンテンツ「lain」~今見るべき作品lain~

昨日ps用ソフトが発売して21周年を迎えたlain

lainTTLも始動しており20年前のコンテンツとは思えないほど活発さを増している。僕自身今年の4月ごろにアニメを見た新規ファンの1人(何なら放映時生まれてない)なわけだが今1番の推してる、楽しんでるコンテンツとなっている。

今日はまだこの作品を知らない人向けにオススメする理由を記事にしていきたい。

 

lainとは何か

lainとは1998年に誕生した、アニメ、ゲームを中心としたメディアミックス作品である。

正確なタイトルは「serial experiments lain」直訳すれば「lainに関する継続した実験」といったところだろうか、作中に登場する謎の少女lainを巡る作品というのが1番簡単な説明だと思う。ジャンルとしてはサイコホラーやサイバーパンク系が1番近いものだと思う。

ゲーム版は特に謎のゲーム(そもそもゲームなのか謎)アニメ版より過激、残酷な描写が多く含まれる。実況動画などが上がってるので耐性のある方は見てほしい。買おうとするとプレミアがついてる関係で3万から4万円程する(現在買うために貯金中)。

勿論アニメだけでも楽しめる作品とはなっている。

簡単な説明?をすると主人公岩倉玲音(いわくら れいん)の知らないところやネット上でレインやlainという存在が噂され始めてそれをきっかけに自分とは何かと向き合う(その過程でネットや世界の謎が明らかになっていく)というストーリーである。(諸説あり)

まず最初に身終えたときの感想として作中の現実世界とネット世界が壊れていく感覚に襲われた。

そして次に自分はこの作品を見てlainという存在は一体何だったんだと延々とlainについて考えさせられた。lainという少女に惹かれ僕の中にlainが偏在し始めたのはこの時だったと思う。まさに作品世界が現実世界を侵食する作品だと思う。そしてそこが1番の魅力と感じた。

 

②なぜ今勧めるのか

さて作品の概略を説明したところで本題のなぜ今勧めるのかという点について話していきたい。

 

1.時代が追いついた

この作品1998年というまだネットが今ほど普及してないタイミングの作品なのだが今でいう掲示板やsnsが強く取り上げられている。予言というレベルでまさに現代のsns世代に刺さる世界観を持っているのだ。更には近年珍しくないVRやARを用いた題材に近いものも多く登場する(ホントになんで’98年にやってたの?)そういった意味で今の方が放映当時より受け入れやすい作品かもしれない。

 

2.lainTTL始動

開幕にも書いたlainTTLとは何か。

 

https://www.nbcuni.co.jp/rondorobe/anime/lain/ttl/

 

簡単に説明すると一定のルールさえ守れば期間限定で2次創作やってOKといった公式からのお告げである。(詳しくは上のリンクから)寧ろ30周年に向けて盛り上げていこうという企画である。

結果どうなるか、

 

みんなの中に偏在するlainがインターネットを通じて偏在しだしたのである。まさにlainの世界がリアルワールドに現れたと言っても過言ではないだろう。もちろんこれも時代が追いついたゆえだと僕は思う。

 

TTLも含めてだがまさに今ファンの活動を中心にどんどん勢いを増してるイベントといえよう。

詳しく知りたい方はtwitter 等でlainTTLもしくはクラブサイベリアと調べて欲しい。

クラブサイベリアとは作中に出てくるクラブのことなのだがTTL以前からファンの方が主催で開いてくれている不定期開催のオフラインイベントである。公式の方が来たりファンの作品とは思えないくらいレベルが非常に高い展示物等があるのでlainを本当に楽しめる空間となっている。僕がlainにハマったときはもう無いと思っていたので先日3回目が行われたときは発表時と行った後どちらも嬉しさのあまり比喩ではなく泣いた。主催のシオドアさん本当にありがとう。

 

まとめ

上の説明で今lainで一体何が起こっているのか伝わったなら嬉しい。

それを踏まえて最後に伝えたいことはファンの活動も含めてlainというコンテンツは新たに復活した生まれ変わったコンテンツだと僕は思う。後から見るのではなく今そのファン活動も含めて楽しんで欲しい。ファン主催で小さなイベントやオフ会なども複数企画されている(まさに僕自身企画中)

ここまで新規に優しいコンテンツも滅多に無いと思う。僕自身当時のグッズや空気感を昔からのファンの方々から聞いて楽しませて貰っている。ただ、どの世代もホントに色々なlain感を持っていてまさに見た者の心に色々なlainが生まれてるように感じた。

謎が多い作品(よくわからない作品)ゆえに敬遠されがちだが一度見ると虜になり寧ろその謎が魅力に感じてくる作品だと思う。

まずは少しのぞいて見てほしい。

 

let’s all love lain

lainを好きになりましょう

それだけでこの世界は楽しめる。

アニメーション作品における電脳空間~映画「HELLO WORLD」の感想を添えて~

 

とてもお久しぶりです。最後の記事がユーフォニアムの時なので大分間が空いてしまいました。

サボってましたすいません。この空白の時間については記録的な形でまた後日にでも。

 

理由は大雑把に言うと気乗りしなかったに尽きるのですがそんな僕のモチベーションを上げてくれた作品が現在公開中の映画「HELLO WORLD」です。

まずネタバレを含まない簡単なこの作品の紹介から。

舞台は少し未来の京都。街のリアルな記録を残すためにドローンが飛び回っているがそれ以外は今とあまり変わらないそんなちょっと未来の京都。

主人公はそこに住む内気な男子高校生、堅書 直実(カタガキ ナオミ)。ある日彼の目の前に未来から来た自分自身カタガキ ナオミが現れる。未来の彼は直実に世界の真実を伝える。

 

「ここは記録された過去の世界。お前は記録された過去の俺だ」

 

未来のナオミはある記録を変えるために現実世界からアクセスしてきたという。

それはやがて直実にできる恋人、一行 瑠璃(イチギョウ ルリ)が死亡した記録を変え生き延びた「もしも」の過去を作り出すこと。そのために未来のナオミは直実に瑠璃を救うための力、神の手(グッドデザイン)を与える。これは使用者のイメージ力によって記録世界の一部を書き換えることができる力だった。

直実は無事、瑠璃を救えるのか。何かを隠している未来のナオミの目的は一体!?

 

そんな作品です。以下ネタバレを挟みつつ本題に移りますので未視聴の方は見終わって気が向いたら戻って来てください。感想だけ一言言うととても面白かったです。sf好きな人は是非是非。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ではこのあたりから再開。

最後まで何が起こるかわからない作品でした。

見ている間、現実は一体なんだ?そんなことを考えさせられました。僕の記憶が正しければ主人公の本棚にF•K•ディックの作品があったような(気のせいだったらごめんなさい)気がしたのでにわかながらディック作品っぽさも感じました。トータルリコールみたいな。

この手の電脳空間を取り扱った作品ってずっとあって自分は結構好きなネタです。電脳空間モノって自分は言ってますがあまりそういう括りではまとめないかもしれません。

例えばどんなのがあるんじゃといえば自分が好きな作品だと

SAO,AW,serial experiments lain,電脳コイル,ゼーガペインとかですかね。

最初2つは結構最近なので知ってる方も特に多いかもしれません。それにSAOに関してはオーディナルスケールの監督が同じ方なので知ってて見に行ってる方も多いと思います。カッコ宣伝でも結構言ってましたし)。

残り3つはかなり世代によって変わるのでマチマチかともしこれらを好きな方でしたら今回の作品も楽しめると自分は思います。ハローワールド好きだと思った方は是非見てください。ただしlainは正直人を選ぶ作品なので最後がいいかと…。ただlain も最後に見てほしい…!電脳空間モノの面白さが格段に違うんです…!自分的には電脳コイルゼーガペインからがオススメです(パンフレットでも触れている)

 

で、電脳空間モノの魅力の話です。この話をしたくて今回書きました。

まず自分の言う電脳空間モノには大きく分けて2種類あります。それは拡張現実を題材にするか仮想現実を題材にするかです。

saoを見ていただくと1番わかりやすいです。簡単に言うとARとVRです。(そのまんま)これで伝わらない方はこれらの単語で調べてみてください。本題から逸れたくないので深くは説明しません(不親切)。

これら2種類それぞれの面白さがあってまたどちらも現実があるからこその面白さだと思います。

例えばAR的な話だとインターネットゴースト的な話(lain)など、実在しないはずのものが情報として存在するそんな面白さを与えてくれます。

またVRだとAR以上に現実に存在しうる制約から外れある種のファンタジーの面白さやまたそこにインターネット上だからこそできるウソ、例えばなりすましやVtuberのような理想の自分になること、そんな願望を叶えてくれる夢が詰まったもう一つの現実を与えてくれると思います。

では、自分がこの2つをまとめて面白いと言う部分はどこか。

それは現実が隣接している点です。

どういうことかと言うと主人公、あるいは読者は決して現実だけに留まるわけではなく、また別世界に留まってるわけでもなく両方に存在しているということです。なぜこうなると面白いのかと言うと主人公は物語中常にある種のギャップと戦い続けるのです。自分はそこにとても共感を覚えます。ある種のエモさもそこから生まれると思います笑笑

 

また、隣接してることによって面白くさせていると思うもう1つの理由は、僕たち読者や視聴者がもしかしたら体験できるかもしれないと一種の憧れを抱けるところだと思います。これは恋愛ものなどにも見られる面白さに近いと思います。

 

さらにこのタイプの作品のテーマにはよく現代の僕らが直面し得るインターネットでの事柄を多く含む場合が多いです。そう言った要素がより一層僕らの想像力を刺激して面白く感じさせているのかもしれません。自分は特に情報的な不死とか好きです。lainとか茅場とかあとはゼーガペインとかもですね。ちょっと憧れちゃう。ただ夜中に考えだすと眠れなくなるのであまりお勧めはしません。

 

 

今回は電脳空間モノの紹介をさせてもらいました。

自分的に今見るのが1番旬だと思います。また電脳空間はある種の現実の鏡像のようにも感じます。そういう見方をすると色々考えさせられてとても面白くまた考察のしがいがあると思います。電脳空間モノでまた何か書きたいなとは思ってます。それはまた気がむいた時に…。

 

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ハローワールドのパンフレットデザイン最高だから是非勝ってほしい。あと一行さんめっちゃ可愛かった。ガチ恋してます。

ヲタクをさらしたところでまた気が向いた時に会いましょう。電脳空間モノ好きな方感想・ご指摘お待ちしてます

 

 

百合展行ってきました

お久しぶりです。ナオトリです。

現在長崎に旅行に来ています。意図せずでしたがハウステンボスでバンドリの聖地巡り?を軽くできたのは嬉しいですね。

 

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(多分分かる人には分かる)

本題へ。

ちょっと前に百合展に行ってきました。

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昨年はいつも以上に百合作品が盛り上がった年のように感じます。

一次創作ではやが君やリズ(リズと青い鳥を百合に含めていいかはグレーではある気がしますが)

二次創作では本家の勢いもあり特にバンドリが印象深かったです。

僕が百合作品にハマった頃はまだ百合作品というときらら系列のような明るい作品群が盛んでしたが今回の展示物を見ていると最近ではやが君のような少し暗めの作品が多く評価されている印象です。友情と恋愛感情の間で揺れる葛藤はBL,GL作品ならではだと思います。また独占欲や嫉妬などの人が持つ負の感情を非BL,GL作品よりも上手く取り入れているようにも思われます。

これは人によるかもしれませんが僕はこのような負の感情の表現が男女の恋愛で表現されるとどうしても自身と同じ性別の視点で見てしまうことが多くなってしまいます。

そういう意味でも百合作品というのはかわいい女の子がイチャイチャしてるのを楽しむ作品というよりも少年漫画や少女漫画ではあまり表現されてない人間の少し汚い部分を表現する作品になってきていると自分は感じています。

 

3/24で東京会場は終わってしまうようなので関東在住でまだ行ってない方は是非。ここからハマるもよし振り返りに行くもよしの充実した展示内容です!

最後に先生方のポップと日替わりスケッチを一部紹介しながら今日は終わりにしたいと思います。

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日替わりスケッチcitrusだった!好きな作品の時に来れたのはラッキーでした!完結おめでとうございました!

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やがて君になる

一筋縄でいかない笑

アニメの演出も最高でした!今後の展開が1番楽しみな作品でもあります。

 

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私の百合はお仕事です!

ポップもカラーイラストも可愛い。ポップの方の2人は最近関係が変わってきましたね。次アニメ化して欲しいなと思ってる作品です。

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ゆるゆり

言わずと知れた名作。ova応援してます!

さくひま(ひまさく)はいいぞ。

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ふたりべや。

きらら作品とかゆるゆりが好きな方ならハマるはず。

ポップが1番可愛かった。雪子先生の書く女の子好きなんじゃ。

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最後にあさがおと加瀬さんからカラーイラストを1枚。映画からハマった作品ですが加瀬さんに共感する男子は多い気がする笑

映画感口元から手がずっと離れなかった笑

 

他にも映像化してない作品でも話題の作品がたくさん展示されてました!

是非ご自分の目でお確かめを♪

久しぶりにラノベに泣かされた話-あの日、神様に願ったことは-

こんばんはちょっと間があきました。

お久しぶりです。ナオトリです。

何で書こうかななど考えつつとりあえず色々家にあるものや人から借りたものを読んでいたら間が空いてしまいました。自分なりにアウトプットのモチベーションの上げ方を見つけていきたいです。

今日紹介する本は今月電撃文庫から出ました

葉月 文さんの「あの日、神様に願ったことは I kiss of the orange prince  」です。

https://dengekibunko.jp/product/kamisama/321808000003.html

こちらの作者さんですが先日紹介した「Hello,Hello and Hello」の作者さんでもあります。

この方の本今のところ全部好みドンピシャなんですよね。鬱展開とまでは言わなくとも酷な展開が途中あるところとか、あと前回のは特にだったのですが同じ場面でも登場人物それぞれの視点で見えかたが大きく変わるところとか。

 

前回と同じく一先ず一冊で完結なのかなと思って買ったのですがどうやらシリーズもののようです。

次回も楽しみですね。

今回のシリーズは主人公風祭叶羽と1年に一度願いを叶えるという世界で1番美しい奇跡の花ラクーティアを巡るお話です。

このミラクーティアなのですがここにいる白い神様に願い事をいうと対価を支払うことで叶えてもらえるという言い伝えがあるのです。

そこで叶羽は同じ高校の先輩である逢見燈華と出会います。

彼女は自分は神様に願いを聞いてもらったと言います。ところがそれを叶えるには試練を乗り越えないといけないらしいのです。その試練のために彼女は色が見えなくなってしまいます。神様から与えられた試練はただ1つ「ヒカリ」を見つけること。

そこで彼女は叶羽に手伝ってくれるように頼みます。

彼は昔フィルムカメラで天才といわれており彼の写真にはヒカリが宿ってるとまで言われていました。

だから燈華はその彼に写真を撮ってもらうことでヒカリを捕まえようとします。

ところが彼はその頼みを断ります。

彼は姉の死をキッカケにカメラを握ることをやめていたのです。

自分は姉のために写真を撮っていた。だからもう撮らない。と。

それでも渋々彼女のヒカリを探す試みに付き合います。

しばらくして叶羽は燈華の願いを知ってしまいます。

燈華の姉は数年前事故で意識不明のまま目が覚めなくなってしまいました。

自分が忘れたお守りを届けてもらうために呼んだりしなければ事故には合わなかったのに…。

燈華ずっと悩んでいました。そして願ったのです。

姉に目覚めて欲しいと。

眠ったままの姉と話す燈華を見て叶羽は過去の自分と重ねます。

そこで彼は燈華からの申し出もありカメラを教えることにします。

それからは2人で色々なところに写真を撮りに行きます。カメラを教えていくにつれて叶羽も段々とかつて自分もカメラを楽しんでいたことを思い出していきます。そしてデート(写真撮影)を重ねるにつれて2人の距離も段々と近づいていきます。

しかし、試練は段々と燈華の体を蝕んでいました。

この試練はタイムリミットつきのものだったのです。

果たしてヒカリを見つけることはできるのか…!

 

 

以下、感想

ヒカリを見つけるとはどういうことなんだろうと考えながら読み進めましたがまさかそうくるとはと驚かされました。かなり序盤からヒントは散りばめられていましたね…。寧ろある意味2人は最初から答えを知っていて忘れているだけだったっていう。答えがわかった時はやられたって思いましたね。王道だけど綺麗に繋げられていて素直に感動しました。

また燈華の試練が期限付きとわかった上で読み返すと納得のいく描写がいくつもあって驚かされました。

ヒカリを見つけて燈華と燈華の姉が再開するシーンでは久しぶりに泣いてしまいました。

あとヒカリを見つけた時の叶羽最高すぎません…?

燈華先輩のこと大好きやん…

文章力とフライ先生の絵のダブルパンチには勝てないよ…。この辺りのシーン勢いがあって1番のめり込んでしまった…。何なら電車降り損ねた。

またエピローグでの神様の正体?ではそう来たかと。

まだまだ伏線を残しつつまたラストで新たな伏線を作りつつ非常に面白いラストでした。

これは絶対面白い、そう言い切れる一冊でした。

次の巻も楽しみです。面白いし泣けるそんな一冊です。もし今何か読もうと思っている方は是非。

 

ちなみに余談ですが挿絵がフライ先生、ヒロインが色盲とわかったとき最初色づく世界の明日から…?と思った人絶対いるでしょ

 

拙い文章に付き合ってくれた方ありがとうございます。

またお会いしましょう